憲法記念日にあたって(談話)
国民民主党代表 玉木雄一郎
本日、日本国憲法の施行77年目の憲法記念日を迎えました。戦後、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という日本国憲法の三原則は広く国民に受け入れられています。
国民民主党は、日本国憲法のこの三原則を守るとともに、次世代に継承していきます。また、時代の変化を踏まえ、日本国憲法の足らざる点については真摯に議論し、停滞している憲法審査会を動かし、必要な改正をめざします。
特に、昨今のウクライナ危機や台湾有事への懸念の高まり等の国際情勢の変化やコロナ禍は、緊急事態が発生した際の「有事の体制」についての不備を明らかにしました。
本年1月1日に能登半島地震が発生しましたが、大規模災害等の緊急事態はいつ発生するかわかりません。緊急事態が発生し、万一、選挙が長期にわたって実施できなくなった場合の議員任期延長規定が現在の憲法には定められていませんが、緊急事態においても国会の機能維持は必要です。国民民主党はこうした観点に立った緊急事態条項を、昨年の通常国会で二党一会派で具体的な条文案の形にまとめて提言しました。1日も早く憲法審査会で条文化することを強く求めてまいります。
また、憲法9条については、単に組織名を明記するだけでなく、自衛隊の行使する自衛権をめぐる本質的な議論が必要と考えており、国民民主党はこうした議論も先導していきます。
さらに国民民主党は2020年の結党直後に、「憲法改正に向けた論点整理」を取りまとめ、人工知能やプラットフォーム事業者の影響力が増す中で、「データ基本権」を憲法上保障することの必要性を提案してきました。昨年来、チャットGPTのような生成AIの登場で、その必要性はより一層増してきています。国民民主党は、憲法19条に規定する「思想・良心の自由」をその形成過程も含めて十分に保障しなければ、民主主義の根幹を為す投票行動にも影響を与えかねないと考えており、AI時代における基本的人権のあり方に適応するよう、憲法規定をアップデートしていきます。
今後とも国民民主党は、憲法審査会での建設的な議論等、国会における憲法論議をリードしていくとともに、広く国民の声を聞きながら必要な憲法改正に向けた国民的議論を喚起して参ります。